わたしたちの取り組み 社会の未来を提案し、
まちづくりに取り組む

私たち亀井工業ホールディングスは、2020年に創業130年を迎えました。それぞれの時代において、豊かな社会の実現のために、まちに必要なことを新しいビジネスにして取り組んできました。インフラを整える建設事業で長く地域での役割を果たし、さらに将来を見据えた「カタチ」を描き、そして企画し仕事として自ら実行していくことが私たちの変わらぬ姿勢です。

地域に根差した事業活動を通して、私たちの暮らす社会が真に豊かなものとなるような新しいライフスタイルを創り出し、それを実現していく企業であり続けたいと思っています。

公民連携のPFI事業最先端モデル
「柳島スポーツ公園整備事業」

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PFI事業とは

PFI(Private Finance Initiative)とは、公共施設の建設工事や維持管理・運営を民間の資金と運営ノウハウ・技術的能力を積極的に活用しようという手法。柳島スポーツ公園事業は、民間資金を財源として公共施設の建設や運営を行うこの「PFI」という手法で茅ヶ崎市では初の試みとして発注されています。
実はこうした形で取り組む地方自治体というのは、今はまだ少なく、その意味で茅ヶ崎市は進んだ考えを持ち、英断をしたことになります。内閣府の先進モデル事例にもなっている柳島スポーツ公園は、茅ヶ崎市や国の期待が高く、今後もいろいろな形で注目されていくことは間違いありません。
PFI事業に参画するにあたり、重要なことは、自分たちが暮らすまちについて、私たちができることは自分たちで率先して取り組むべきだという強い思いが根幹にしっかりとあることだと考えます。

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この事業は私たちの「使命」です

数年前に市から公示された時、これは私たちの「使命」だと思いました。実はこの件より少し前、老朽化による立て替えが進む市内の浜見平団地の一エリアを公民の複合施設にするというPPP( public private partnership )の事案があり、総合生活企業を自負する私たちも入札に参加したのですが、受注はかないませんでした。大手の建設会社が進める工事を複雑な気持ちで眺めながら、地元で100年以上も仕事をしてきて、茅ヶ崎を一番よく知っている企業がなぜ任せてもらえないのか、中央の大企業が地元の気持ちに寄り添って永きに亘る真のニーズに応えられるのかと、そしてこうした結果をもたらす日本の仕組みに大きな疑問を抱きました。
私たちのプランは、茅ヶ崎に必要で且つサスティナブルに今後の社会に溶け込めるという自信がありましたし、今でもそう思っています。こうした過程もあり「運動公園は絶対に受注しよう」という強い覚悟と情熱がグループ全体に漲る中、チャレンジが始まりました。

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ローカル企業が
75億円の事業を受注した理由

2014年9月、私たちは地元企業で力を合わせたこの計画を総額約75億円という金額で落札し事業者に選ばれました。この事業の入札には当初、多くの企業が手を上げ、最終的に3社に絞られました。そのような状況の中、大手スポーツメーカーを含むライバルに勝てたのは何故か。落札者の決定基準は入札額だけではありません。資金計画の健全性や事業内容の総合的な検証と合わせ、私たちが最も高い評価を受けた項目は、設計提案と自由提案の部分でした。事業者選定委員会の審査講評には次のように記されています。
『亀井工業ホールディングスグループについては、地域におけるスポーツを軸としたコミュニティ形成や、ローカルファーストというコンセプトを明確に打ち出し、地域ニーズを踏まえた施設内容やスポーツプログラムの実践など、民間ノウハウを活かした取り組み内容や、地域一丸となって最後まで事業を遂行していく取り組み意欲を高く評価した。』
長らく地場ローカル企業には難しいとされてきたPFI事業ですが、今回は「地域でできることは地域の企業が中心となって行う」と言う強い意志とアイデアに対して、選定委員の有識者、大学教授、自治体担当者も最大限の理解と共感を示してくれたのです。 同年10月にはこのプロジェクトを専任で統括する「茅ヶ崎スマートウエルネスパーク株式会社」を設立し、12月に茅ヶ崎市議会の決議承認をもって本契約となりました。

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地元企業にしかできないカタチ

この事業の特長は「地元企業による地元企業にしかできないカタチ」です。提案したコンテンツは、いずれもノウハウがあり自ら運営できるものばかり。しかしそれらの組み合わせで、今までにない形ができました。
工事自体は茅ヶ崎建設業協同組合の会員企業と共に進め、レストランは亀井工業ホールディングスグループのグローバルキッチンと杉山芙沙子さん、杉山愛さん親子が栄養学的監修としてリード、コンディショニングセンターは、既に市内に開業実績をもつ湘南ベルマーレとともに進めます。同じく湘南ベルマーレはサッカースクールやサイクルステーションという形でスポーツや文化としての「自転車」を発信していきます。パームインターナショナル湘南(理事長:杉山愛)には、スポーツ全般を教育的観点で重要と考えた多彩なコンテンツとネットワークがあります。公園がオープンした今、ここから市民による活用が進む中で、想定以上の「発展」が起こるだろうと考えるとワクワクします。
地域と自社の総合力を集結し「ローカルファースト」で推進したこの事業は、今後、利用する市民ひとりひとりが主役になれる、暖かく豊かな交流拠点を目指した取り組みへと昇華させていきたいと考えています。

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全国が注目する事業

内閣府が推進するPPP、PFI事業は、各地行政での取り組みが進みつつありますが、茅ヶ崎市のように大手ゼネコンを入れずに、地元の民間企業で構成された地域主導型のローカルファーストなPFIは特徴的で、数も少なく、各地からの視察が実際に開園した公園には今なお相次ぎます。
官から民へ主体が映ることで、具体的にそのようなメリットがあるのか、コストをいかに下げ、逆にサービスを何処まで提供できるかといった点、地域とのかかわり方や、市民が自主的に自由に自治的に使える施設としてどのような運営方法をとっているのかなど、いずれの視察のみなさんも真剣に耳を傾け、熱心に質問する様子にその注目度が伺えます。
PPP/PFI プロジェクト事業 アドバイザー推進事業

地域が求める施設・サービスを形に
グループの取り組み

20年前にスタートした温泉事業「湯決爽決」は、首都圏第一号のスーパー銭湯であり大きな話題を生みました。スーパー銭湯ブームの先駆けとして、首都圏に数百ある日帰り温泉施設のビジネスモデルとなっています。

茅ヶ崎駅南口にある「茅ヶ崎メディカルケアセンター」は、高齢者福祉に特化し、有料老人ホーム、生活サポート付きシニア向け賃貸マンション、居宅支援事業所、クリニック、デイサービスを一つの建物内で完結する医療・福祉の最先端モデルとして広く紹介されています。

高齢者の「食」をテーマにしたグローバルキッチンでは、高齢者施設に向けて安全で高品質な調理済み食材をご利用いただきやすい低価格でご提供しています。また日本食の良さを前面に、広く海外へ紹介する機会も増え健康的な「食」をグローバルに広めていくことも積極的に取り組んでいます。

柏・豊四季台での
ビジネスモデルに挑む

130年前から「まちづくり」のための様々な事業に挑み続けてきた、亀井工業ホールディングスグループには、いくつものチャレンジがありました。
千葉県柏市豊四季台団地の老朽化に伴う建て替えにあたり、この地域をこれからの超高齢社会を見据えた「まち」を創ろうと、柏市、都市再生機構(UR)、そして東京大学高齢社会総合研究機構が研究会を発足しました。その中で「食べる、働く、交流する場」を地域活性のビジネスモデルとして提唱、展開するべく、その事業者として私たちが選出されたのです。大手食品会社や外食チェーンなど400社以上が手を挙げる中、私たちが注目されたのは、温浴や健康、福祉、食といった各事業の企画運営の実績と提案力、そして大手ではなく一ローカル企業である点でした。
ローカル企業がこのような形でまちづくりに関わっていくことは、全国の中小企業の存在意義として、これからのビジネスモデルとして大いに期待されるものでした。この事業については、計画から実施に至る時間の中で、様々な環境と状況の変化を事由に、形を変え、後に続く柳島スポーツ公園事業、さらに先を見据えた私たちの取り組みにおいて、非常に重要な経験、そして将来への糧になりました。

自分たちのまちを、
自分たちの力で創る

私たちは「総合生活企業」としてのビジョンを明確にしていくために「建設」というハードを創造する創業以来の事業とあわせ、約20年前から「温浴事業」を皮切りに「スポーツ健康事業」「福祉事業」「飲食事業」など、人々の暮らしに寄り添うソフトにあたる事業を展開してきました。
新規事業を始めるにあたっては、専門家の指導やアドバイスを受けながら、基本的にすべて自社で事業計画を立ち上げ、準備から開所、開設、またその後の運営まで一貫して行います。私たちの「まちづくり」の強みは、こうした実践を通して積み上げてきたノウハウと 共に、多岐にわたる事業を自在に組み合わせることで、行政やお客様のニーズに細やかに沿う適切な提案ができることです。

地域に役立つ事業を地元の企業が自ら取り組む。これは私たち亀井工業ホールディングスグループが創業以来大切にしてきた理念であり、地域の資源を活かすローカルファーストの価値観です。
地域に根ざしたローカルな企業でありながら、誰もがやったことがないことにチャレンジ精神をもって臨んでいく。地域の人々•まち•時代が求める「真に豊かなまちづくり」を目指してまいります。